「なかなか理科の成績が上がらない」、「用語の暗記ができない」など理科の勉強法がわからないと多くの方からお悩みの声を聞きます。
現役プロ講師である著者が何年もかけて作り上げた、実際に成績が上がる理科の勉強法をご紹介します。
まずは、なぜ成績が上がらないのかという原因解明からお話をして、具体的な勉強法についてご説明します。
お子様の理科の成績アップの手伝いが出来ればと思います。
どうして成績が上がらないのか?原因を解明する
理科の成績が上がらないのはもちろん原因があります。では、その成績の上がらない原因を4つのパターンに分けてご説明します。
- 勉強時間が足りない
- 原理原則を理解していない
- 反復演習不足
- 発展・応用題の演習不足
「あれ、当たり前では?」と思われた方がいると思います。しかし、大人であれば当たり前ですがお子様にとっては意外にも当たり前ではないのです。間違った勉強で勉強したつもりになっているのが現状ではないでしょうか。
ですので、しっかりと原因分析をして、それに合わせた勉強法が必要になります。
理科の成績が上がらない原因1:勉強時間が足りない
まずは勉強時間がそもそも足りないことが原因であることです。中学受験をしない小学6年生の平日の勉強時間は30分~〜1時間です。
しかし、中学受験をお考えであるご家庭であれば過半数以上が2時間から2.5時間になります。
<<中学受験を目指す小6年生のお子さま、塾・家庭教師以外で平日の家庭学習時間>>
参考:エデュナビ
理科の成績が上がらない原因2:原理原則を理解していない
理科は「理解する」と「暗記する」に分けられます。理科の成績が上がらないお子様は原理原則を理解せずに暗記だけで勉強する傾向があります。
理解しなくても標準レベルの問題であれば正解できます。実際の入試問題でご説明します。標準レベルの問題と発展レベルの問題で比較します。
正解はウです。星座早見の作りの原理がわからないと正解が難しいですね。
この問題を正解するには星座早見の使い方ではなく、どのような作りになっているかという原理原則がわからないとできません。
難関中と言われれる学校は、単純な星座早見の使い方ではなく、原理原則を問題にします。
この例からわかるように、理科を得意にするならば、学習する早い段階で単な暗記ではなく、しっかりと原理原則を抑えて勉強することが最も大切になります。
上の例でわかるように原理原則を理解しないで丸暗記に頼ってしまうと応用力がつきません。そして問題を出題する側は、原理原則を理解していないことを熟知しているので、そこを入試問題にします。つまり、上の入試問題の例でわかるように、学校側は丸暗記ではなく、しっかりと深く物事を理解して考えるお子様に入学して欲しいのです。
理科の成績が上がらない原因3:反復演習不足
記憶の定着には時間がかかります。大人が思うほど子供の記憶している期間は短いです。つい先日に解いた問題でさえ、解いたということすら覚えていないことは良くあることです。それくらい忘れてしまします。
ですので、完全に忘れる前に反復練習を繰り返すことが重要です。基本的には繰り返せば繰り返すほど記憶の定着は良くなります。同じ問題集を繰り返すことで記憶の定着ができます。しかも同じ問題集ですので、以前に自分がその問題ができていたか、そうでなかったかもわかります。
つまり、お子様の成長の様子がわかるので同じ問題集を繰り返すことが効果的です。何冊もの問題集を取り組むよりも1冊の問題集を繰り返す方が記憶がしやすいということです。
理科の成績が上がらない原因4:発展・応用題の演習不足
ある程度はできるようになったけれど応用力がつかない原因は応用題の演習不足になります。基礎から標準問題の反復練習では応用レベルの問題ができるようになることは難しいです。応用力・発展力をつけるには、応用・発展問題での演習が必要です。基礎から標準問題が解けるのは、あくまでも応用題を解ける前段階の準備と思っておくと良いと思います。
驚くほど結果がでる!理科の正しい勉強法
では、具体的に結果がでる理科の勉強法について4つのステップに分けてご説明します。
ステップ1:まずはしっかり勉強時間をとる
ステップ2:原理原則を理解する(最も重要です!)
ステップ3:基礎・標準問題の反復練習
ステップ4:応用・発展レベルの練習
お子様がどのステップからスタートしたら良いか保護者の方でしっかりと判断してほしいと思います。
スッテプ1:勉強時間をしっかりと確保する
勉強時間が足りていない場合は、まずはしっかりと勉強する時間を作ることです。なかなかお子様が勉強しないで困っている方は、著者が日々行なっている勉強しないお子様に少しでも勉強させるコツがありますので、お試しされると良いと思います。
例えば「宿題を全部終わらせなさい。」と言うとお子様にとって重荷になることがあります。実際に教壇に立つ身として家庭学習をしてこないお子様は全部を完璧にしようとする傾向が強いです。
そんな時に著者が利用して効果がある勉強をさせるにはコツは、例えば「問題集の1番だけやりましょう。」と言います。そうすると「1番くらいならやってもいいかな。」とお子様にとってはかなり勉強するハードルが低くなります。
一番やってはいけないことは叱って勉強させることです。このケースは、叱れば勉強するという見方ができますが、視点を変えると叱らないと勉強しないとも言えます。そうすると保護者の方が常に叱り続けなければなりませんし、次第にお子様も叱られることに慣れてしまいます。お互いにとってメリットはありません。そして、次に保護者の方からは「勉強しないと塾を辞めさせるよ。」という流れになることがほとんどです。そうすると、お子様にとっては、勉強をしなくて済むので願ったり叶ったりなのです。
お子様の指導法を誤ると良い結果は生みません。ですので、正しい方法はお子様が勉強をするハードルをいかにして下げるかということです。
勉強させるコツは1ページだけやる・1番だけやるなどして、少し保護者の方としては班や不満はありますが、まずは勉強の量を少なく設定することが大切です。
例えるならスポーツのフルマラソンと同じで、始めから42.195Kmを走ってくださいと言っても無理ですよね?お子様の勉強も同じだと思ってください。少しづつ量を増やして自信をつけながらが勉強を続けいくことが大切です。
ステップ2:原理原則の理解
理科は大きく分けて「化学」「物理」「生物」「地学」の4つの分野に分かれます。原理原則の理解は「化学」「物理」分野だけと考え、「生物」「地学」分野は丸暗記というわけにはいきません。どんな分野でも原理原則の理解が必要になります。
例えば生物分野では次のようなことが考えられます。
草食動物と肉食動物の目のつき方です。
馬などの草食動物は目が横についています。一方肉食動物の目は正面についています。このことだけを丸暗記しても原理原則を理解したことにはなりません。
「なぜ?」を考えるのです。なぜ、草食動物と肉食動物では目のつき方が違うのか?そこには動物の進化の理にかなっているはずです。
草食動物は敵に襲われる危険があるので広範囲を見渡す必要があり、肉食動物は獲物を捕食するために餌となる草食動物との距離感をつかむ必要があります。そのため肉食動物は見える範囲は狭いが距離が掴みやすくなるように目が正面についているのです。
もう1つ例を挙げます。
海にいる哺乳類は、「クジラ・イルカ・シャチ」と例えば暗記します。では、海にすむホニュウ類と魚類は何は違うのか?という疑問が湧いてきます。
ホニュウ類は縦泳ぎ、魚類は横泳ぎです。イルカを水族館で見たことは経験としてあると思います。
「生物」分野は丸暗記すれば良いというわけではありません。理科ですので、そこにはほとんどといって理由があるのです。理由まで、つまりは原理原則まで考えれば記憶しやすいですし、勉強していて面白いですよね。無味乾燥の丸暗記から「へー、なるほど」と思えるような勉強することが本当のところ大切なんですよね。
おそらく理科が苦手や不得意のお子様はとにかく理科は暗記することだと思い、つまらないものになっているのがほとんどです。
そして、この原理原則の理解するのにオススメしているのが2つあります。「スタディサプリ」と「カリスマ先生の合格授業」です。
市販されている教材のほとんどは覚える内容をまとめているものですが、上の2つに関しては原理原則を説明し、わかりやすくなっています。
オススメ!「スタディサプリ」相馬先生の理科の神授業
原理原則を理解する上で最もハードルが低く内容が濃いのがスタディサプリの相場先生の授業です。
非常にわかりやく、興味が惹かれる授業です。プロ講師である著者から見ても最難関中学に合格できるような授業になっています。
理科が苦手であるならば下の動画を一度ご覧になってください。
スタディサプリは問題演習量が少ないのがデメリットですが、書籍で勉強するよりもハードルが低く、一回の授業が10分程度なので短時間で視聴できます。
スマホ・タブレット・PCのどれからも視聴できますので、夕食前などのお子様の隙間時間に見て勉強しても効果は十分にあります。
オススメ!「カリスマ先生の合格授業」の参考書
動画で勉強するよりは、じっくりと書籍で勉強するならば「カリスマ先生の合格授業」がオススメです。
書籍の方が勉強に向かうハードルが高いですが、すぐ勉強したい単元を探したり、復習するのには便利です。
ステップ3:基本レベルの計算問題・用語のアウトプット練習
では、原理原則が理解した後は、アウトプットの練習になります。基本用語から基本例題を反復演習し、より強固な記憶にしていきます。
塾で利用しているテキストでも良いですし、こちらでオススメしている問題集で繰り返し練習できれば必ず成績は上がります。
大切なので繰り返しますが、あくまでも原理原則を押さえた上で練習することが大切ということです。スポーツのゴルフで例えるなら、闇雲にスイング練習するよりも、優秀なコーチにスポーツ科学に乗っ取った方法で適切な練習をする方が上達に大きな差が出ることと同じです。
効果的な反復練習する方法
しっかりと原理原則を理解した上で、基礎・標準問題を繰り返すことで記憶に定着を図ります。お通いの塾の教材でも良いですし、当サイトで紹介しているオススメ問題集でも良いので短期間で標準レベルをマスターしましょう。ここで大切なのは原理原則を理解しているので、暗記しやすいとうことです。この原理原則の理解がないと記憶が難しく忘れやすいです。
ここまでしっかりできると首都模試センターで偏差値55~65(男子偏差値一覧・女子偏差値一覧)まで取れるようになります。
ステップ4:応用から発展で知識・理解を深める
基礎から標準まで終えたら、次は応用発展レベルでの練習になります。ここで大切なのは標準レベルの問題を繰り返し解いても応用・発展レベルの問題が解けるようにはならないということです。応用・発展レベルの問題を解くには応用・発展レベルの問題で練習を積むことが必要です。
具体的には志望校の過去問やこちらでオススメしている問題集での演習が必要になります。
理科がある程度得意ならば、ワンランク上の志望校の過去問で挑戦して学力をつけることができます。
習ったことはその日のうちに復習はウソ
以前から言われている「習ったことはその日のうちに復習をしましょう。」というのはウソです。その日に習ったことですのでまだ記憶が新しいです。つまり思い出しやすいということです。お子様の中には解き直しということで一生懸命に復習するのですが、例えば「この問題の答えは記号のアだったはず。だから答えはア。」という答えの記号を覚えていたという理由で答えてしまうケースは意外にも多いのです。
ですので、記憶の定着ということでは翌日に復習することが良いです。そうすると、「あれ、これなんだっけなぁ?」というようになり一生懸命に思い出そうとします。この時に脳がフルに回転し思い出す回路を作っているところなのです。
復習のタイミングはお子様によって多少違いますが、忘れかけたところでするのが最大の記憶の定着につながります。
ですので、新しい内容を学習したのであれば、当日よりも翌日にもう一度解き直すことで思い出す訓練になります。
どこまで勉強すれば良いのか
難関中学で有名な開成中学や桜蔭中学でさえ、当サイトで紹介している参考書・問題集・志望校の過去問で十分です。
毎年のように多くの中学校で過去に見たことがない問題が入試本番で出題されます。重箱の隅をつくような問題から実際に教壇に立って教えている身でも知らないという問題があります。
ですので、あまりにもマニアックになって理科博士のようになる必要はありません。今までに見たことがある同じような問題が解ければ十分に合格点に到達できます。
中学受験用の参考書に載っていない内容まで無理して覚える必要はありません。
ここでは過去に出題された難関中の問題を例にご紹介します。
当サイトでもオススメとしてご紹介している参考書や大手集団塾のテキストに載っていない内容でした。勉強していても一度も見たことがないので解けなくても仕方がありません。
知らないことがあって当然と割り切って学習する方が精神的にも負荷が少ないのです。
しかし、上の例でもあるように理科は日常の身近なところにたくさんあります。机の上だけでするのが勉強ではありません。常日頃から身近な理科に触れて受験としてではなく好奇心を育む姿勢でいると、もしかしたら入試本番で出題があるかもしれません。
日常にある理科を発見する
近年では過去に出題されたことのない問題が難関中で出題されることが増えてきました。内容は重箱の隅を突くような知識ではありません。
大人としては常識であるがお子様にとっては常識ではないとい問題です。
おそらく学校側の出題の意図として机の上だけが勉強ではなく、身の回りにあるたくさん不思議について興味を持ってほしいということだと思います。では、具体的に過去にどのような入試問題が出題されたかをご紹介します。
答えは、分かりますでしょうか?毎日のように食事を作る方なら当たり前かもしれませんが、料理をしてないと分かりませんよね。
正解は(ア)です。
身近ににある理科について親子で考えてみることも楽しみながら勉強するコツです。身近にある理科のヒントに参考になる書籍がありますので、ご紹介しておきます。大人が読んでも「なるほど!」と思える内容がたくさんあります。
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まとめ
今回は理科の結果がでる勉強法でした。簡単な流れで説明しますと、
- 勉強時間をしっかりと確保
- 原理原則の理解
- 基礎問題でアウトプット反復演習→記憶の定着
- 応用・発展問題でさらに理解を深める
4つの中で最も大切なのは「原理原則の理解」です。理科が苦手のお子様ほど原理原則の理解ができていません。理解していないので、記憶するのも難しいですし、忘れやすくなってしまいます。また、理解していないまま多くの問題を解いても学習効果は低いです。
そして少しでも問題を難しくすると原理がわかっていないので、自分で考えて答えを出すことができません。理科の成績向上には原理原則の理解が絶対に必要になります。
プロ講師である当サイトの著者の経験として上記の内容ができていれば、地域のトップ校に十分に合格できる学力がつきますので、ぜひ正しい勉強法で頑張ってほしいと思います。
最後に今回の記事でオススメの参考書とスタディサプリについて詳しい記事がありますので、よろしければご参考ください。