中学受験するにあたって、
- 家庭教師をつける
- 大手進学塾または個別指導塾に通う
- 通信添削教材にする
といった、いくつかの学習手段があると思います。
今回は中学受験に家庭教師が必要かどうか、授業料の相場はどれくらいなのか、おすすめの家庭教師センターはどこなのかをテーマにご説明していきます。
パンフレットやホームページには掲載されていない、内情を知り尽くしたプロの目線でお子様の志望校合格のお役に立てればと思います。
中学受験に家庭教師は必要か?
中学受験において家庭教師が必要かどうかは、『お子様がどういった性格なのか』、『学習に対する姿勢』、『集団塾に通っているか』などを総合的に判断して考えなくてはなりません。
成績の向上がないと学年が上がるにつれて不安が募り焦る一方です。しかし、しっかりとした判断基準で家庭教師を利用すれば、志望校への合格に大きく前進できます。
まずは、家庭教師をお願いすることのメリット、デメリットをご説明します。
家庭教師をお願いすることのメリット・デメリット
家庭教師をお願いするメリット
まずは、メリットからご説明します。大きく分けて2つあります。
◆メリット1.お子様の学力に合った学習指導
集団指導では、お子様の理解に合わせてくれません。分からない部分や疑問点があったとしても、講師はその決められた時間内でカリキュラムを終わらせなければなりません。
しかし、家庭教師ではその時点でのお子様の学力に合った指導を行います。実績や力量がある家庭教師であれば、志望校合格をする上でお子様の学力の足りない部分を見抜くことができます。
それを踏まえて授業を行います。マンツーマン指導なので、質問しやすく自宅というリラックスできる環境です。お子様がまわりの目を気にすることなく、分からない問題や疑問点をスマートに解決できます。
◆メリット2.塾に通う移動時間のカット
中学受験するにあたって塾に通うのが当然という考えの方は、移動や送り迎えの時間は意外と盲点かと思います。現時点で塾に通うのに実際どれくらい時間がかかるかを計算していただくと、どれほどの時間が手に入るかが分かると思います。
自宅から塾までのDoor-to-Doorの往復移動時間×週の回数で計算ができます。塾に通うのにどれくらい時間がかかっているか知ることは、家庭教師をお願いするかどうかの判断材料になります。
また、塾に通う場合は保護者様が送り迎えをされているケースが多いと思います。しかし、家庭教師であれば送り迎えの必要がありません。塾の予定の時間を気にする必要がないので、保護者様の負担も大きく軽減してくれます。
家庭教師をお願いするデメリット
続いてデメリットになります。こちらも2点あります。
◆デメリット1.授業料が高額
一般的な中学受験対策の集団指導塾の1時間あたりの相場は1,000円〜1,500円になります。塾の規模にかかわらず、中学受験最大手のSAPIX(サピックス)や日能研から地元の密着型の小規模の集団指導塾の相場はそれほど変わりません。
しかし、家庭教師であれば、最低でも1時間あたり3,000円からで、10,000円を超える授業料がかかるケースもあります。集団授業と同じ時間数を家庭教師に換算すると授業料が少なくとも2倍以上の違いになります。
具体例を挙げてご説明すると、お子様が小学6年生として月謝を計算すると集団塾の相場が40,000円〜になると思います。家庭教師では集団塾と同じ学習時間で月謝を計算(ここでは集団塾の3倍で計算)するとおそよ120,000円〜になります。
ただし、家庭教師は効率良く学習できるので、仮に半分の時間で同じ内容を学習できれば、60,000円〜になります。結果的に月額料金の差はおよそ20,000円〜になります。家庭教師は効率良く学習できるメリットはありますが、結果として授業料は高額になります。
◆デメリット2.家庭教師の力量や実績がわかりづらい(講師のレベルが不明瞭)
家庭教師の場合、指導実績や担当講師がホームページや広告チラシに掲載されている場合は、ほとんどと言ってありません。家庭教師センターでは、大学生のアルバイト講師から指導歴10年以上の中学受験専門のプロ講師が在籍しています。
きちんとした先生をお願いする方法を知らないと、まるでくじ引きの当たりを引くかのように運頼みになってしまいます。大切なお子様の未来を考えると、最も避けなければなりません。
しかし、後述しますが中学受験に強い家庭教師センターの紹介や、どのようにすれば実績あるプロ講師にお願いできるかのノウハウの記事がありますので、そちらを参考にしていただければと思います。
家庭教師をお願いした方が良い場合
下記の3つのうち1つでも当てはまるのであれば、家庭教師をお願いした方が良く、志望校合格の可能性が上がります。
①お子様の性格が内向的な場合
お子様からすると塾の先生は立派な大人に見えます。質問をしたくても、「先生がいつも忙しそうだから」や「先生が怖いから」と言った理由で、質問をしないケースが多くあります。
「忙しい」や「怖い」かは、質問をしない理由として多少の要因としてありますが、本当のところは内向的な性格によるものが大きいです。保護者の方で、先生に質問してきなさいとお子様に強く言うと、「自己解決ができた」や先生に質問してこなかったにもかかわらず「質問してきた」という嘘をついてしまうケースがあります。
本人の意向を考えずに質問に行きなさいというのは、親子関係がぎくしゃくするだけではなく、本人の精神的な負担になってしまう可能性があります。
ですので、内向的な性格の場合は家庭教師をお願いした方がよいケースになります。
小学校高学年と言ってもまだ精神的には未熟です。身内以外の大人はやはり怖いと思ってしまうことがあります。
ですので、内向的な性格のお子様は、距離が近い家庭教師の先生の方がピッタリなのです。
②依存心が強くない場合
家庭教師は良くも悪くも距離が近いです。お子様がこの環境に慣れきて自習していてわからない問題に出くわすと、解説を読まずに付箋を貼って家庭教師の先生に今度聞こうという姿勢になることは良くあります。つまり、家庭教師に甘えてしまうということですね。
そうならないためにも、自分中心で考えて足りない部分を補ってもらうという依存心が強くなくある程度自立しているお子様ならば、家庭教師は強い味方になってくれます。
③集団塾に通っていない場合
目指す学校のレベルにもよりますが、ある程度の進学校ならば家庭教師をお願いした方が合格の可能性が上がります。
その理由として、学習年間スケジュールを立ててもらえる、志望校合格に必要な問題レベルに合わせて教えてもらえると言ったサポートが受けられるからです。
詳しくご説明すると、いつの時期までにどのレベルまで達したら良いか、模擬試験をどのように受けたら良いか、併願校(第一志望の学校以外に受験する学校のこと)の受験作戦の立て方、受験直前期のメンタルケアなど総合的なサービスが受けられます。
中学受験は情報を知らないと受験するときに不利になるケースもあるので、その情報を買うという意味でも家庭教師はお勧めです。
中学受験の家庭教師を依頼した時の料金相場と授業までの流れ
こちらでは、中学受験専門の家庭教師の料金相場と問い合わせ方法から、体験授業を受けて本格的な授業を受けるまで流れをご説明していきます。
中学受験専門の家庭教師の料金相場
中学受験専門ではない小学校の教科書レベルを教えてくれる家庭教師での1時間の料金は2,000円からが多いです。しかし、中学受験は小学校では学習しない特殊な内容を扱いますので、料金が割高になっています。相場は最低でも1時間3,000円からになります。高額になると10,000円以上する場合もあります。
申し込みから授業までの流れ
多くの家庭教師センターは、次のような流れになっています。
電話やネットから体験授業の申込み |
以上が簡単な流れです。
始めに電話やネットで体験授業の申し込みをします。その際に科目や指導内容の簡単な打ち合わせをします。
次に体験授業を受けます。ここで初めての顔合わせです。今後指導を受けるにあたり、お子様にぴったりの先生かどうかの判断をします。
その後に体験授業の感想やシステムが納得できれば契約します。
契約から本格的なスタートまで1週間程度が目安になります。それまでに教材の準備や解決できなかった問題をピックアップして当日まで待つと良いと思います。
家庭教師と個別指導塾と集団塾の違い(比較)
次に、
・料金の相場
・目的の違い
・日程の違い
に注目して、家庭教師と集団塾、そして家庭教師により近い個別指導塾のそれぞれの特徴をご説明します。それぞれを比較することでメリットやデメリットが分かりベストな選択ができます。
料金相場の違い
目安ではありますが、家庭教師や個別指導塾は高額で、集団塾は低額になります。
具体的な相場は、中学受験専門の家庭教師や個別指導塾では3,000円から10,000円になります。集団塾では1時間あたり1,000円から1,500円程度です。
ここで注意したいのは、家庭教師のほとんどが授業料とは別に交通費の支払いがありますので、さらに1,000円程度が加算されます。
<1時間あたりの料金の比較>
形態 | 1時間での料金 | その他の月当たり費用 |
家庭教師 | 3,000円〜10,000円 | 教材費1,000円〜交通費1,000円程度 |
個別指導塾 | 2,000円〜5,000円 | 教材費1,000円〜施設費1,000円〜 |
集団塾 | 1,000円〜1,500円 | 教材費テスト費その他施設費計5,000円〜 |
- 家庭教師や個別塾は1時間での料金に月の授業回数をかけた分が月謝の目安です。
- 集団塾での月謝は学年毎に異なるので下の表を参照してください。
<集団塾の4科目受講 学年別の料金の比較>
学年 | 月謝 |
小学4年生 | 25,000円〜 うち授業料は20,000円〜 |
小学5年生 | 30,000円〜 うち授業料は25,000円〜 |
小学6年生 | 50,000円〜 うち授業料は40,000円〜 |
- 上記費用には教材費、テスト費、全国模試費用などが含まれています。
- 夏期講習などの季節講習は別料金になります
目的の違い
家庭教師や個別指導塾は、苦手科目の克服や志望校の過去問の取り組みが中心になります。
一方、集団塾では中学受験に必要な学習内容を網羅するために決められたカリキュラムに沿って学習していきます。
国語、算数、理科、社会の4科目をバランスよく授業を受けます。
本格的な受験の準備は小学3年生の2月からスタートする場合がほとんどです。
日程の違い
家庭教師や個別指導塾は、自分の希望する曜日、時間、回数で授業が受けられます。
それに対して中学受験の集団塾は、学年やクラスレベルに合わせて曜日や時間が固定されています。小学4年は週2回、小学5年は3回、小学6年は4回と学年が上がるにつれて塾に通う回数が増えます。
その他に季節講座や志望校別対策講座などの追加講座があるので、6年生になると週のほとんどに授業があります。
プロからみた中学受験に強い家庭教師ランキング
いざ、家庭教師をお願いしようと思った時に多くの選択肢があって悩んでしまうと思います。
そこで家庭教師、個別指導塾、集団塾のそれぞれの講師を全て経験してきたプロである私の目から見た中学受験に強い家庭教師のおすすめランキングをその理由とともに紹介します。
ぜひ、お子様の志望校合格のベストパートナーになってくれる家庭教師の出会いをお手伝い出来ればと思います。
中学受験での家庭教師の選び方
それでは、最後に中学受験での家庭教師の選び方についてご説明します。
大きく分けて3つのポイントがあります。
①広告やホームページに合格実績を掲載している
②入会金、授業料などの料金体系が明朗会計である
③高学歴であれば指導力も高いという思い込みを捨てる
以上が概要になります。
さらに詳しい家庭教師の選び方はこちらの記事をご覧ください。(準備中)
まとめ
今回は中学受験するにあたって、家庭教師が必要かどうかをメリットとデメリットを中心にご説明しました。
家庭教師が必要なケースは、
- お子様の性格面で先生に甘えることがなく、ある程度の自立心がある
- 集団塾では周りの目が気になり思うように質問が出来ないような内向的な性格である
- 中学受験は学習内容が特殊だけれど、集団塾に通っていない
上記の3つのどれか一つでも当てはまる場合です。
次に家庭教師をお願いする場合の授業料も考える必要があると思います。授業料は中学受験専門の家庭教師と集団塾では同じ時間で費用を比べた場合におよそ2倍以上違うことは知っておきたいところです。
お子様の性格面と料金と現在塾に通っているかどうかを考慮してベストな選択をして頂ければと思います。