売買算 基礎編

先生:今回は、売買算です。

次の問題を解いてみましょう。制限時間は2分です。

『原価の20%の利益を見込んで定価をつけました。ところが売れなかったので、10%引きで売ったところ利益が240円でした。この商品の原価は何円ですか?』

男の子:原価?定価?利益?あまり聞きなれない言葉があるよ。

女の子:そうね。先生、言葉の説明をお願いします。

先生:そうだね。聞きなれない言葉があるようなので、その説明からはじめよう。

導入 用語の確認

先生:まずは身近な例で話してみよう。

あるスーパーマーケットがあるとするよ。そのお店は、リンゴを売るのに農家からリンゴを買うよね。

その値段を仕入れ値または原価というよ。ここでは分かりやすいように100円としよう。

そして、お店が儲かるように値段を決めるんだ。

男の子:そうか。では、120円で良いですか?

先生:そうだね。原価(仕入れ値)よりも高い値段でないと、お店は儲からないよね。お店が決めた値段を定価というよ。

ここまで整理すると、仕入れた値段を仕入れ値または原価。お店が決めた値段を定価と言うんだね。

この問題では、売れなかったので値段を下げたんだね。120円で売れなかったので、110円にしよう。その値段で売ったから、売値(うりね)または売価(ばいか)と言うんだ。

女の子:先生、利益は何ですか?

先生:利益は、簡単に言うと儲け(もうけ)のことなんだ。この「スーパーマーケットは、100円で仕入れてきて、最後には110円で売ったことが分かったよね。

男の子:分かりました!利益は10円です。

先生:正解!

女の子:どうやって計算したの?

男の子:簡単だよ。利益は、売価と原価の差なんだ。

女の子:そうか。このスーパーマケットは100円で仕入れて、110円で売ったから、110−100=10円ということね。

先生:これで分かったかな?

男の子と女の子:はい。分かりました。

先生:イメージしやすいように下図にまとめたから、忘れてしまったら確認してね。

解法1 線分図(原理原則)

先生:では、実際にこの問題を解いていこう。

まずは、適当な長さで原価(仕入れ値)を書こう。

そして、その下に定価を書こう。定価の長さは、原価よりも長いよね。

そうでないと、このお店は儲からないからね。

さらにその下に売価(売値)を書こう。

売価は、どれくらいの長さになるかな?

女の子:お店は儲からないといけないから、原価よりも長く定価よりも

短いです。

先生:正解です。よくわかったね。まとめると下図のようになるよ。

『20%の利益を見込んで』とは、『もとに20%を足した』と言う意味なんだ。

この問題では、原価をもとにして20%足したって言うことだよ。

ここで、ポイントはもとにする量は100とするんだ。これは決まりなので覚えてね。

ここでは、原価をもと(100)にして定価を決めたから、定価は100+20=120。

下図のようになるね。

では、続けよう。今度は、売価だね。今わかったのは、原価が100、定価が120といことだね。

売価はいくつになる?

男の子:売価は定価から10%引くから、120ー10=110です。

先生:残念。それはよくある間違いなんだ。

女の子:どこが違うのですか?

先生:どこをもとにして、10%引きにしたのかな?

女の子:定価です。あっ、そうか。定価をもとにしたから定価が100で、売価は定価の10%引きだから、100−10=90です。

先生:その通り。ここまでを整理すると、下の図になるよ。

男の子:あれ、丸と三角の記号が違うのはなぜ?

先生:よく気づいたね。それぞれもとにする100は値段が違うので、異なる記号で書いたんだ。ここでは、原価と定

価は値段が違うってことだよ。

あとは、原価から定価が100から120だから値段は1.2倍で、定価から売価は100から90だから0.9倍だね。

だから、売価は100×1.2×0.9=108だね。

では、利益は、いくつになるかな?

女の子:原価が100で売価が108だから、108ー100=8です。

男の子:そうか。売価ー原価が利益だったね。

先生:だんだん分かってきたね。

女の子:答えが分かりました。この⑧にあたるのが240円です。①=240÷8=30円です。原価が100だから、30×100=3000円です。

先生:正解!よくできました。

売買算のポイントは、用語をしっかりと理解すること、もとにする量が100になることです。

何度も練習してマスターしよう。