千葉県の難関私立中学「東邦大付属東邦中学」の算数の入試問題をプロ目線で分析しています。
合格平均点から逆算して、どのように問題を攻略すれば良いかを解説しています。著者が2022年の入試問題を解いた感想は、近年まれにみるほど簡単な問題でした。こんな簡単な問題を東邦中が出したのかと非常に驚かされました。算数が得意なお子様は、算数で得点を稼ぐことが難しく、逆に算数が苦手なお子様は過去問よりも得点できたのではないでしょうか?
2022年度 東邦大付属東邦中学 前期1月21日の算数入試問題の分析
2022年(令和4年)1月20日(木)に行われた東邦大付属東邦中学の前期入試の算数の分析になります。今年は受験者平均が65.9点(学校発表)と例年に比べて非常に高得点となっています。(昨年の受験者平均は52.3点)。つまり難易度が易化しており、過去10年で最も平均点が高いほどでした。合格には最低でも算数で80点以上は得点(ミスして2~3問程度)したいところです。
合格最低点を取るには、標準問題は確実に得点することです。2022年の算数全体の難易度は、下記のとおりです。
大問1 〇〇〇
大問2 〇〇△
大問3 〇〇
大問4 〇△
大問5 〇〇
大問6 〇〇×
大問7 〇〇×
○必ず得点 △得点したい問題 ×時間がかかるので優先順位が低い
では大問別に見ると、
大問1番は計算3題です。例年通りです。計算は標準レベルの繁分数の計算と、四則演算、還元算(虫食い)になります。今年初めて繁分数(分数の中に分数がある)が出題されました。分数を小数に直す方法で計算ができます。ここは、全問も得点する必要があります。
大問2番は1行題です。数の論理(基礎)、食塩水(基礎)、差集め算(応用)からの出題でした。基礎問題レベルが2題、応用が1題で、算数が得意であれば全問正答できるレベルです。苦手でも(1)、(2)は簡単と思える問題です。
大問3番は平面図形です。(1)は基礎レベルで高さが等しいときは、底辺の比は面積の比に等しいことが分かれば得点できます、(2)標準レベルで、(1)をヒントのに底辺が等しければ、高さの比が面積の比になるということに気づけば難しくないでしょう。この問題も得点したいところです。大問4番は全問正答がマストと言っても良いです。
大問4番は、速さに関する問題です。温度変化と時間に関して状況を把握できれば初見でも十分に解ける問題です。(1)2回目に95度になるには1度目は95度になり、そのあと97度まで上昇し、そのあとに温度を上げる機能が停止し、温度が下げっていきます。そこで2度目の95度になります。(2)は93度から97度まで規則的な繰り返しになります。この所要時間を1サイクルとして計算し、規則性問題として考えます。問題文をしっかり理解できていれば十分に正解できます。
大問5番は立体図形です。(1)は頻出問題です。最短経路問題で展開図を描いて平面図形として考えると解くことができます。標準レベルの問題集には必ずといってよいほど掲載されている定番問題です。(2)は立方体から三角錐を引いた図形になります。
大問6番は約束記号ですです。問題文中にある例の意味がしっかりとわかれば(1)、(2)は十分に得点することが可能です。(3)で時間がかかりそうなら後回しでも大丈夫かと思います。中学で習う累乗・指数計算を知っていれば簡単に感じたのではないでしょうか。
大問7番は論理的思考の問題です。ここ数年は大問7番は論理的思考を問う傾向になっています。今年は資料の活用がテーマになっています。中央値の問題は学校の教科書に掲載されていますが、受験用の問題集にはほとんど載っていません。日頃から受験算数ではなく教科書もしっかりと理解しておく必要があるということですね。
東邦大東邦中 前期入試 算数解答
大問1番(1)68/55 (2)1/70(3)33/200
大問2番(1)17と34(2)80g (3)160円
大問3番(1)2:5(2)5:8
大問4番(1)10時18分(2)8回
大問5番(1)13.5(2)180立方センチメートル
大問6番(1)7(2)9(3)9
大問7番(1)BとC(2)16人 (3)イとカ
※学校からの正式な解答ではありません。
まとめ
2022年度東邦大東邦中の前期入試は、例年と比べて非常に簡単で、いかにケアレスミスをしないかどうかが勝負になる問題でした。確実に基礎から標準問題が得点できるかどうかが合否の分かれ目になりました。合格には80点以上の得点し、問題数から考えて正確な計算力とスピードは必須でしょう。さらに標準問題を取りこぼさないことが東邦大東邦の入試では重要です。今回では大問3番・4番・5番で取りこぼさずに得点できるかが合否の分かれ目でした。
算数に自信がなく、不得意と感じている方がいれば、下記にオススメの算数の問題集を紹介しているの参考にしていただければと思います。
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